【特集】「ウイスキー講座」参加レポート | 富士山エリアの総合ガイド - フジヤマNAVI

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大人のこだわり講座vol.1 「ウイスキー講座」参加レポート

山中湖畔の高台に建つ“ホテルマウント富士”で、10月20日と27日に行われた
『キリン富士御殿場蒸溜所ブレンダーによるウイスキー講座』に参加してきた。

ウイスキーの原料や製法といった一般的な話もさることながら、世界の5大ウイスキーの飲み比べや正しいハイボールの作り方といった実践的な内容、さらには普段馴染みが薄い「ブレンダー」のお仕事の話までと、大変貴重で内容の濃いものだった。終わった後は、知的好奇心が満たされた高揚感とともに(お酒も入って(?))心地よく帰路に着くことができた。

今回は、そのレポートをお届けする。ちなみに、蒸留所の見学とウイスキーの製法などの基本的な話は「キリン富士御殿場蒸溜所見学体験記」を参照。

ウイスキーの歴史と世界の5大ウイスキーの飲み比べ

ウイスキーとは穀物を原料としてこれを糖化、発酵させ、樽の中で熟成させた蒸留酒である。また、ウイスキーに関する最古の記録が残っているのはアイルランドだと言われており、その後15世紀には今日世界的に有名なスコットランドでの記録が残っている。

早速、テーブルに並んだテイスティンググラスに手を伸ばす。ここでブレンダーの樋浦氏からアドバイスが。曰く、「グラスを軽く回して空気と触れ合わせること」、そして、「グラスを手前に傾けグラスの縁の奥側に鼻先を突っ込んで香りを嗅ぐこと」だという。前者は香りを開かせるため、後者は香りをグラスの一点に集めるためだそうで、一連の動作をやってみると、なるほど確かに“通”っぽい。

現在では、「スコッチ」「アイリッシュ」「バーボン」「カナディアン」「ジャパニーズ」が世界の5大ウイスキーとされ、それぞれ産地などによって原料や製法に違いが見られる。実際に味わってみると、スコッチはピート(泥炭)を焚いた独特のスモーキーさ、薬っぽい香りが特徴的。最古のウイスキーであるアイリッシュはピートを焚かない軽くてまろやかな風味。バーボンは主原料のトウモロコシや、新樽で熟成していることによるフレッシュで華やかな味わい。カナディアンはトウモロコシが主原料ながら穏やかでシンプル、爽快感のある味わい。そして我らがジャパニーズは、微かなピート香と程よい香りのバランスのとれた味わい、であった。こうしてみると同じ“ウイスキー”でありながら、それぞれの土地柄をよく反映した原料の使い方や特徴をもって、独自に発展してきたというのがよくわかる。

左から、「富士山麓樽熟50°(ジャパニーズ)」、「ジョニーウォーカー・ブラック(スコッチ)」、「ブッシュミルズ(アイリッシュ)」、「フォアローゼズ(バーボン)」、「クラウンローヤル(カナディアン)」、「富士山麓シングルモルト18年(ジャパニーズ)」、「富士山麓シングルグレーン15年(ジャパニーズ)」。

原酒の熟成に使う樽の木片。表面が黒いのは、樽の内側に焼入れを行いっているから。こうすることで生木のにおいを除去し、風味が良くなるという。

謎に包まれた「ブレンダー」

ブレンダーの仕事というと、何を想像するだろうか。「ウイスキーのテイスティングをする人」、はたまた「ウイスキーのブレンドをする人」などが漠然とイメージされるかもしれないが、実際に何をしているかは謎に包まれている。

樋浦ブレンダーによると、樽ごとに異なる個性的な原酒をテイスティングし管理する「品質管理」、それらを組み合わせて新しい製品をつくる「商品開発」、マーケットの状況を分析して将来的な原酒の必要量を見極める「製造計画」、そしてセミナーやメディアへの対応といった「広報活動」と多岐に渡っている。

では、一日をどのように過ごしているのだろうか。まず、大事なテイスティングは午前中にするとのこと。特に、お昼前の空腹に近くなってくる時間には、人間本来の野性が取り戻されるのか、感覚が研ぎ澄まされるという。そして午後は主に資料作成などデスクワークに没頭するそうだ。また、テイスティングを一定のコンディションで行えるように体調管理はもちろん、食事にも気を遣う。香りや刺激が強いものは避け、朝は専らパンとシリアル。カレーや納豆は、食べた後に体から臭いが発生してしまい、テイスティングに影響してしまうからだ。昼や夜は幾分自由とはいえ、それでもニンニクやキムチといったものはなるべく避けるという。ある意味、24時間仕事モードであるわけで、そのプロ魂には恐れ入ってしまう。

テイスティングには、グラスから立ち昇ってくる香りをじっくり感じることができるトワイス・アップ(常温の水とウイスキーを1:1)が適している。ストレートではアルコール(約40%)が強すぎるそうだ。

テイスティングをしていて香りがわからなくなったら、自分の香りを嗅ぐとニュートラルな状態に戻れるという。機会があればお試しあれ。

ウイスキーの歴史と世界の5大ウイスキーの飲み比べ

ウイスキーの複雑な香りや味わいを、ブレンダーは様々な言葉で表現している。ネットショップの商品説明や店頭POPなどで、「スモーキー」や「ウッディ」、「バニラ香」、「フルーティ」、「フローラル」など様々な表現を見かけることがあるだろう。こうした香りは例え一つのウイスキーでも一様ではなく、テイスティングの過程で段階的に変化していく。具体的には、「トップノート(飲む前に感じる香り)」→「インパクト(口に含んだ瞬間の感じ)」→「パレート(舌で転がすときに広がる風味)」→「アフターテイスト(飲み干した後に感じる香味)」と変化する。その時々で様々な香味が見え隠れする様子を、感じ取りながら味わってみるというのも、大人の楽しみ方だろう。

また、樋浦ブレンダーおすすめの飲み方は、常温の水1:ウイスキー1の「トワイスアップ」だそう。氷が溶ける等して味が変化することがないため、ゆっくり味わえる点がメリット。では、人気のハイボールに適したウイスキーはというと、次の3つのポイントを抑えたもの。「シングルモルトよりブレンデッドモルト」→香味バランスが崩れにくい。「ピート香が強いものより弱いもの」→強いと苦味を感じやすい。「熟成年数が15年未満のもの」→あまり長熟だと樽の苦味・渋味が出てしまいがち。

おいしいハイボールの作り方は、「かちわり氷を使う」→「グラスに水滴がつくまで30回ほど氷とウイスキーをかき混ぜる」→「グラスを伝うように静かに炭酸を注ぐ」→「最後は軽く2回、底からすくい上げるように混ぜる」の4つ。

飲み方別にウイスキーに合うおつまみのレシピの紹介も。
詳細は「KIRINおつまみ道場」ウェブサイトへ。

キリンディスティラリー 富士御殿場蒸留所

住  所 : 〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970
電話番号 : 0550-89-4909
営業時間 : 9:00~15:00
休 館 日 : 年末年始及び毎週月曜日
ウェブサイト http://www.kirin.co.jp/brands/sw/gotemba/index.html
富士御殿場蒸溜所外観 富士御殿場蒸溜所写真

ホテルマウント富士

住  所 : 〒401-0501 山梨県南都留郡山中湖村山中1360-83
電話番号 : 0555-62-2111
ウェブサイト http://www.mtfuji-hotel.com/
ホテルマウント富士外観 ホテルマウント富士写真