メダリスト岡崎朋美さんの語るスケートの魅力 | 富士山エリアの総合ガイド - フジヤマNAVI

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岡崎朋美さんの語るスケートの魅力 富士山に見守られて過ごした日々 冬季五輪に日本人女性選手として最多の5大会連続出場を果たし、日本のスピードスケート界を長年に渡り牽引してきた岡崎朋美さん。2013年に現役を引退するまでの20数年間、富士山麓でトレーニングを重ねてきた岡崎さんにとって『スケート』や『富士山』の魅力とは何なのか、インタビューしてきました。

岡崎朋美

いつも身近な存在だったスケート。

私が生まれ育った北海道の清里町では、元々スケートがとても身近な環境にありました。小学校では、冬になると体育の授業でスピードスケートをやるんですよ。小学校3年生のときに転校生が来て、その子の影響で翌年から本格的に始めました。小学校の頃は、まずは「乗りこなせ」ということで、マイナス20℃という環境の中、長い距離をただひたすら滑ってました。シューズの紐がカチカチに凍ってしまうほどの寒さがとにかく辛くて…。元々長距離は苦手でいつも周りに置いてかれてたんですけど、指導者の方の「もうあがれ!」の言葉が悔しくて、最後まで意地になって滑ってましたね。

富士急行スケート部 長田監督との出会い 怖いもの知らずだった私に巡ってきたチャンス。

高校2年生の冬。私が通っていた高校のある釧路で、全日本スプリントスピードスケート選手権大会が開催されました。私は出場していないのですが、出場選手のあとに一般の高校生も練習する時間がありました。同じ高校の子は、みんな全身真っ黒なユニフォームを着て練習していたんですけど、富士急行スケート部を率いていた長田監督が私の滑りを目に留めて、声を掛けてくださったんです。はじめは富士急行の監督って分からなかったので、目の前に急に厳つい人が現れて結構ビックリしたんですけどね(笑)高校卒業後の進路を聞かれて、辞めようと思っていることを伝えたら、「辞めるんだったらうちに来い」とおっしゃってくれました。世界を舞台に戦っている選手がたくさんいる富士急行スケート部は、私にとってまさに“未知の世界”。でも、元々怖いもの知らずだった私は「自分の能力を試せるいいチャンスが巡ってきた!」と思ってました。周りの人からは「実績が無いのに勇気あるな」と思われてたんですけどね。自分の潜在能力を信じて、大学に進学したつもりで4年間は頑張ってみたいと思い、決意を固めました。

世界で勝負する楽しさを知りました。

入社した当時は、オリンピックに出るなんてあまり考えていませんでした。1~2年目はとにかく環境に慣れることがすごく大変で。でも、世界を見つめている先輩たちと練習を重ねるうちに、自然と自分の気持ちも引っ張られていて。なんとか3年目に少しずつ先輩たちの足元が見えてきて、世界大会に出場することができました。初めての世界の大会で、世界の強豪たちと同じ舞台に立ったとき、日本の大会よりもすごく楽しく感じたんです。会場全体が盛り上がってて、なんだか“お祭り”みたいな感じで。会場の外でも、ランニングしていると、いろんな方が「トモミ~」って声かけてくれたりするんです。その雰囲気を肌で感じて「またここに戻ってきたい」って心から思いました。その後は練習に対する意識も更に高まり、トレーニングに挑む姿勢も変わりましたね。

2度目の冬季オリンピックで銅メダル獲得。私の背中を押した言葉の数々。

長野オリンピックのときは、2年前から代表の内定をもらっていたので、ピンポイントで調整しやすかったです。私、実は選考会が一番苦手だったので…。それをクリアすると気が楽になるんですけどね。オリンピック本番のときは、とても良い緊張状態でした。スタートラインに立った時は「思い残すことはない、準備は整っている」という感じで。聖子さん(※)にはレース前に「普段通りやれば、もう結果は決まってるよ」とも言われたんです。緊張は誰もがするもので、それを残念な結果にするかは自分次第だと。

あと、会社の方々の応援はすごく嬉しかったですね。特に同期が応援団長やってくれてて、それを見てたら私も楽しくなってきちゃって。岡崎コールが耳に残ってて心地よかったなぁ…私の大会みたいな気分になりました。監督にも「手の内で廻せ!流れはお前に向いている!」っていう言葉をいただいて、すごく安心しました。これ“長田マジック”って言ってるんですけどね。周りの人たちの支えがあったからこそ勝ち取れた、みんなの思いが詰まったメダルですね。

※橋本聖子氏

富士急行スケート部に所属していた元スピードスケート選手。7回のオリンピックに出場し、アルベールビル冬季オリンピックではスピードスケート女子1,500mで銅メダルを獲得。富士急行退社後は、自民党所属の参議院議員として活躍。現財団法人日本スケート連盟会長。

橋本聖子さんと