山梨県の世界遺産

世界遺産・富士山の
「構成資産」を訪ねる旅 ~山梨県 編~

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山梨県と静岡県をまたがるようにそびえたつ富士山。世界遺産としてふさわしいと認定された背景には、周辺にある神社や登山道、風穴に湖沼などの存在も大きくかかわっています。富士山の価値を成す文化財は「構成資産」として25か所あり、それらすべてが世界遺産。ここでは山梨県エリアに位置している構成資産をご紹介します。

富士講信者の登拝のルーツ辿る「御師住宅(おしじゅうたく)」

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御師は、富士講信者が登拝を行うのに当たり、宿や食事を提供するなど一切の世話をするとともに、日常は富士山信仰の布教活動と祈祷を行うことを業としました。
御師屋敷の多くは短冊状をなし、表通りに面して導入路を設け、敷地を流れる水路の奥に住宅兼宿坊の建物が建てられています。



同じ富士吉田市にあっても「御師住宅」の「旧戸川家住宅」は公開されていますが、「小佐野家住宅」は非公開。
富士吉田市歴史民俗博物館において構造復元住宅を見ることができます。


水辺と富士山が芸術的景観を描く5つの湖「富士五湖」

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山梨県に所在地を置く「構成資産」としての湖は「山中湖」と「河口湖」、「西湖」、「精進湖」、「本栖湖」。
この5つの湖は「富士五湖」と呼ばれ、いつの時代も富士講信者により変わらず巡礼の対象として数えられていたそうです。



湖と富士の素晴らしい構図で、数多くの芸術作品と結びついているこの景勝地。
最もダイナミックな絶景として有名なのは、輝く湖面にまるで鏡のように富士山が映える「逆さ富士」でしょうか。



なお「西湖」、「精進湖」、「本栖湖」の3湖は、富士山域の構成資産として数えられています。


美しく清らかな湧水の地「忍野八海」(おしのはっかい)

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富士山の伏流水による八つの湧水地。
現在の忍野村にあり、それぞれの名称は「出口池」、「お釜池」、「底抜池」、「銚子池」、「湧池」、「濁池」、「鏡池」、「菖蒲池」。
富士山信仰に関わる巡拝地として八海それぞれに八大竜王を祀っています。
富士登拝を行う道者たちはこの水で穢れを祓いました。
長谷川角行(はせがわかくぎょう)が行った富士八海修行になぞらえ「富士山根元八湖(ふじさんねもとはっこ)」と唱えられた古跡の霊場と伝えられたそうです。
1843年に富士講信者によって再興されたとされています。


富士河口湖町の「船津胎内樹型」と富士吉田市の「吉田胎内樹型」

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1617年に長谷川角行が富士登拝した際、北麓に洞穴(船津胎内樹型指定範囲内に点在する小規模な溶岩樹型のひとつと考えられる)を発見 し、浅間大神を祀りました。
富士講信者によって、1673年には現在の船津胎内樹型が発見され、1892年には新たな「御胎内(おたいない)」として吉田 胎内樹型が整備されました。
洞内には木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が祀られています。
※吉田胎内樹型の内部は一般公開されていません。


山梨県にある浅間神社「河口浅間神社」と「冨士御室浅間神社」

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富士山の「構成資産」として数えられている神社は、浅間神社の総本宮である「富士山本宮浅間大社」を含め8社です。
そのうち山梨県に所在するのが「河口浅間神社(かわぐちあさまじんじゃ)」と、「冨士御室浅間神社(ふじおむろせんげんじんじゃ)」。



「河口浅間神社」は9世紀後半に起こった噴火を契機に、北麓側に初めて建立された浅間神社であると伝えられています。
浅間神社を中心とした河口の地は、富士登拝が大衆化した中世後半から江戸時代まで御師集落として発展を遂げました。
現在も富士山と密接に結びついた宗教行事を行っています。



「冨士御室浅間神社」は吉田口登山道二合目の地に9世紀の初めに建立されたという伝承があり、富士山中に最も早く祀られた神社であるとする文献もあります。
本殿は1970年代に里宮の地にそのまま移設されましたが、修験や登拝といった様々な富士山信仰の拠点として位置づけられる二合目の本宮(もとみや)と、土地の産土神としての里宮が一体となって機能してきた神社です。


「富士山域」における山梨県としての構成資産

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「構成資産」の中には山梨と静岡両県にまたがる「富士山域(ふじさんいき)」と呼ばれるものがあります。
それは「信仰の対象」とともに「芸術の源泉」との深い価値を示す9件が数えられています。
条件としては標高1.500メートル以上のとても重要な地域で、両県にまたがっているのは「山頂の信仰遺跡群」です。



それらのうち、山梨県が所在地となる「構成資産」は5か所。
北口本宮冨士浅間神社を起点とし、富士山頂を目指す「吉田口登山道」。
浅間大神(あさまのおおかみ)が祀られていた遙拝所を起源とする「北口本宮冨士浅間神社」。
あとは富士五湖のうちの3つ「西湖」、「精進湖」、「本栖湖」です。


世界遺産・富士山の「構成資産」を訪ねる旅

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