日本で最も開花が早い「あたみ桜」
熱海市の中心街にある古谷旅館は、歴史ある温泉旅館として知られています。
その古谷旅館に「熱海桜の由来」と題された冊子が残っており、先代の旅館主人が熱海に咲く早咲きの桜について書いていました。
そこには「明治の初年、熱海の富士屋旅館にイタリア人が泊まり、その記念に桜やレモンの苗木を寄贈していきました」と書かれているそうです。
大正の始め頃から、この冊子の著者である古谷旅館主人がこの桜を増殖し、あたみ桜として広く知られるようになったといいます。
2月には見頃になるあたみ桜は寒桜の一種で、寒い時期から咲き始めるので下を向いて咲くのだそうです。
熱海中心を流れる糸川で行われる「糸川桜まつり」
熱海は坂が多い町。
中心部には糸川が流れており、その川に沿って遊歩道が設置されています。
この道沿いに植えられているのが「あたみ桜」で、例年1月から2月にかけて見頃になる早咲き桜を見るために多数の観光客が押し寄せます。
熱海駅から徒歩約20分程度のところに桜並木は立っていますが、「糸川桜まつり」の頃になると交通規制がひかれ、無料シャトルバスや無料シャトルタクシーが熱海駅から出発しています。
シャトルバスなどは、あたみ桜のそばまで行っているようですが、是非、散歩がてらのんびり歩いてみてください。
日が落ちてからのライトアップされた桜も見事なので、是非一度ご覧ください。
会場周辺には飲食店が軒を連ねているので、疲れたらお茶を飲みながらのお花見もおすすめです。
「熱海城さくら祭り」は3月下旬から
熱海駅から車で10分ほど海方面へ進むと、見えてくるのが熱海城。
地上43mからの眺望は、熱海市街地や湯河原、新鶴半島や大島まで見えることもある絶景です。
そして、熱海城のバルコニーにはジェット足湯が設置されているので、ポカポカした日差しの中、潮風にあたりながら絶景を見ながら一休みなんてこともできます。
熱海城自体も見どころはたくさんあり、観光客を飽きさせません。
資料館や体験コーナーはもちろん、なんと熱海城には18歳未満鑑賞禁止の「春画展」まで開催されています。
天守閣には甘味処「見晴らし茶屋」も営業しているので、殿様気分を味わいながらお茶を飲み、城下を見渡してみてください。
春になると熱海城内では約200本の桜が咲き誇り、花見客でにぎわいます。
日が落ちるとライトアップイベントも開催されるので、ライトに照らされた満開の桜と熱海市街地の夜景を一度に楽しむことができます。
カラオケや出店も多く出店しており、「熱海城さくら祭り」を盛り上げています。