富士山モチーフグッズを生み出す池ヶ谷千宏さん
FUJI-T、case3776等、多くの富士山モチーフグッズをデザイン・販売しているデザイナー池ケ谷知宏さん。
彼の生み出す商品には「その手があったか」という驚きの発想が込められているのが魅力です。
ユニークな富士山グッズ製作のきっかけとは
なぜこのようなユニークなグッズの製作に至ったのでしょうか。
「富士山が身近に存在しすぎなかったことがあると思います。」と池ケ谷さん。
故郷の清水は山奥で、富士山を毎日見ることができない環境で育ったが、東京へ出て、天気がいい日に通勤電車から見える富士山に初めて、富士山への帰属意識が出てきたといいます。
そして再び静岡に帰った際、通勤途中に見える富士山に充実感を覚え、その存在が誇りになったのだそうです。
そこで富士山の見える部屋を探していたところ、地元の友人には「そんなにいいか?」と言われました。
この「同じものに対する感覚の違い」の面白さを、デザインという手法を使って表現してみたい、と感じたことが、富士山モチーフのグッズが生まれるきっかけとなったそうです。
Tシャツから富士山が顔を出すFUJI-T
転機が訪れたのは2010年でした。
富士山に登ろうと決意した際、何か山頂に試作品を持って行こうと一週間前に考えついたのが、代表作でもあるFUJI-Tだそうです。
Tシャツの裾をめくると富士山が顔を出す、というアイデアでした。
山頂について見知らぬ人にカメラを渡し写真を撮ってもらう際に、ぺろっとTシャツから富士山が顔を出すと、歓声があがったそうです。
この想像以上の反響と歓声は、池ヶ谷さんの商品のコンセプトである「コミュニケーションを生み出す」の源となっています。
アイテムの展示「バイバイ」展に込めた想い
2013年11月、静岡県ICN spaceにて開かれた「バイバイ」展では、これまで池ヶ谷さんがデザインしたアイテムの展示に加えて、実際にユーザーが使用した、いわゆる「お古」のグッズたちも展示されていました。
なぜこのような展示をしようと思ったのでしょう。
「汚くなったティッシュケースを見て、とても嬉しく思った」と語る池ヶ谷さん。
使い古されたティッシュケースには「売買」によって生まれる感謝が詰まっているのだそう。
タイトルの「バイバイ」とは、売買。
その言葉の裏側には、商品を買って、使ってくれる人への感謝が込められていたのです。
ユニークな発想の裏にあるものとは
池ヶ谷さんのデザインワークは「もらった人がどうなるか」という点が重視されています。
「ただカッコイイものを創るだけなら自分より上手い人はたくさんいる」と言う池ヶ谷さん。
「恐竜の時代だったら恐竜はたくさんいた、でもそんな中でほ乳類が森に逃げて生き延びた。恐竜時代なら自分は哺乳類」という面白い例えを出してくれました。
自分なりを視点で、自分なりのフィールドを探せ、という熱い想いが込められているのでしょう。
ユニークな発想の裏にある努力が伺える印象的な言葉でした。
富士山は高さだけでなく、コミュニケーション能力も日本一
これからやっていきたいことを訪ねると、「視点をずらして物事を見ることは、し続けると思う」と池ヶ谷さん。
富嶽三十六景にちなんで、自分のアイテムで36個は創ってみたいそうです。
世界遺産ともなった富士山を扱うことに関しては、
「富士山は高さだけでなく、コミュニケーション能力も日本一」
と面白い答えをいただきました。
なるほど「富士山」を知らない人を探す方が難しいですね。
好きな富士山の景色とは
最後に好きな富士山の景色を伺いました。
「好きというか、一番しっくり来る、自分の中で一番見慣れた景色は由比の薩埵峠。静岡から見た富士山って山梨から見た富士山より傾斜が急なんですよ。山梨で見る富士山も好きですが、写真を撮ろうとファインダーを眺めて「なんか違うな」と思う。」言われてみれば確かにそんな気もしてきますね。
あなたの思い描く富士山はどんな形をしているでしょうか。
ご紹介するのは、ケーキ、クッキー、石鹸など、お土産の定番物や、あっと驚く隠し富士山Tシャツ、食卓に彩りを添えるおとうふ、美味しい地産の桜えび、しらすです。 ご近所、友人に配っても良し、ご自分で旅の思い出にお持ち帰るのも良し、「おもちかえり富士山」で日常にプラス富士山してみませんか。