テーマは「ミルキークイーン」
今回のテーマは「ミルキークイーン」です。
お米は日本人の食の原点ですよね。
毎日食べるものだからこそ、美味しいものを食べたいです。
今回ご紹介する場所は、年間を通じて冷涼な気候ゆえに美味しいお米を作るのは難しいといわれていた山梨県富士吉田市です。
この富士吉田市で今注目を集めているのが「ミルキークイーン」です。
富士山を正面に眺めながら米作りに励む堀内治さんに話を聞いてきました。
農林水産省の「スーパーライス計画」の中で誕生した「ミルキークイーン」
「ミルキークイーン」とは、農林水産省の「スーパーライス計画」の中で誕生した品種です。
日本で圧倒的な作付面積を誇るコシヒカリを改良したお米で、アミロースの含量が低いことが特徴です。
近年低アミロース品種が多く生産されるようになっていますが、取り合わけミルキークイーンは含量が低く、その値はコシヒカリに比べ3%~12%低いのだそうです。
このアミロース含量の低さが、ミルキークイーン極上のもちもち感の決め手です。
粘り気がありもちもちした食感なので、冷えても硬くならず、冷めた時の旨みがあります。
そのため、お弁当やおにぎりにしても美味しいんです。
富士吉田の土地柄の水・土・気候・光を活かした米作り
堀内さんが農業をしている富士吉田市は標高800m以上あるため耐冷品種であるひとめぼれとミルキークイーンが奨励品種となっています。
その2種のうち堀内さんが栽培しているのがミルキークイーンです。
ミルキークイーンは耐冷性が高い一方で倒伏性が高く、やいもち病に弱い品種です。
しかし、富士吉田の土地柄を生かせば非常においしいミルキークイーンが栽培できると堀内さんは話します。
また、美味しいミルキークイーンを栽培するポイントが4つあると言います。
1.ゲルマニウムやバナジウムといったミネラル分を多く含む水が豊かにある
2.日照時間が長く、稲に降り注ぐ日射量が豊富
3.標高の高さや富士おろし(富士山から吹き降ろす風)のために、朝夕の温度差が大きい
4.稲作に適した水はけのよい土
種まきから稲刈りまで一貫して行われる堀内さんのお米作り
9月下旬に収穫を迎えた堀内さんのお米作りは、4月上旬に苗を作るための種まきから始まりました。
ビニールハウスで40日間かけて10数センチの苗に育て、5月下旬に田植えをします。
その後秋の収穫に向け水や肥料を管理、草取りが続きました。
取材した年は、4月20日の大寒波や夏の記録的な猛暑、そして稲刈り直前の台風と気候に悩まされる場面も多かったそうです。
一方で、田植えをしてから、稲刈りまで18度を下回ることがなかったので大豊作なのだとか。
富士山の麓の堀内さんにとって富士山そして農業とは
生まれ育った富士山の麓で、富士山を中心とした農業をしている堀内さんにとって富士山そして農業とはどんなものなのでしょうか。
「小さなときから四季の変化を感じてきた。今は仕事柄、富士山の恩恵を日々受けている。
どんな作物を作るにしても、富士山の厳しい気候にあわせて知恵を出しあってきた。そして植物の特性を生かし、より良い味を出すためにこだわりを持って日々励んでます。消費者の口に入って、初めて手間かけた甲斐がある。
ぜひこの土地に来て、この土地の特産物を味わってもらいたい。」
ミルキークイーンの美味しい食べ方
水を少なめにして炊く
美味しい炊き方のポイントは洗米後15分ほど水に浸け、通常の1割ほど水を減らして炊くことです。
そして炊き上がったら、すぐに切るように混ぜたら蓋をしめて蒸らしてください。
こうすれば、もっちりした食感に炊き上がり冷めても美味しく召し上がっていただけます。
富士山の恵みを味わう特集「フジヤマファームキッチン」の記事です。富士山麓で栽培、収穫される「クレソン」「ジビエ」「古代米」「ミルキークイーン」「深海魚」などの地産グルメを、地元の農家、研究会メンバー、レストランのシェフへのインタビューを交えて紹介します。また、実際に訪れることでグルメを味わうことができるレストランや売店の位置情報やメニュー紹介などを特集しています。