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これって常識!?雑学!?意外と知らない【富士山20の豆知識】 (後編)

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美しい富士山の山肌で豪快にシュプールを描きたいというのは、スキー愛好者ならば当然かもしれませんが、このスキーが日本で初めておこなわれたのも、実は富士山でした。



ただ、それは残念ながら日本人ではありません。オーストリアの軍人、テオドール・エドラー・フォン・レルヒとエゴン・フォン・クラッセルでした。



レルヒは、「日本スキーの父」と知られていますが、彼はなにもスキーの伝道者として来日をしたわけではありません。当時、無敵艦隊をもっていたロシア帝国を敗った日本、その強さの秘密を解き明かそうという軍事視察のためです。



しかし、そんな目的を忘れてしまうほどの衝撃を受けました。富士山です。



横浜沖の海上から眺めた富士山が忘れられず、1910年12月27日、友人クラッセルと登山。どうにか頂上近くまでは行けましたが、積雪と時間の問題で、ギブアップしました。



そこで、普通ならば下山ということになりますが、ここでレルヒはスキーで滑降したのです。当時の日本では、「登山」という概念もなかったので冬山に登るということもなかったうえ、見たこともない板で、滑ってくる彼らの姿は、当時の日本人にはかなりのカルチャーショックだったのではないでしょうか。今でも、五合目にはこの日本初のスキーを記念した碑が立っています。



ちなみに、富士山山頂からのスキー滑降を成し遂げた第1号は日本人。1935年、筧弘毅と勝田甫という2人の学生です。雪のコンディションがよく、気象条件に恵まれ、不浄沢から太郎坊まで一気に滑降した、と記録に残っています。


【豆知識⑳】地元の人々が吉凶を占う富士山の「巨大な鳥」

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富士山の美しさをより際立たせているのは、山肌にあらわれる「なごり雪」でしょう。



様々な表情をみせてくれるこの山肌ですが、毎年4月から5月中旬にかけて巨大な鳥があらわれることをご存知でしょうか。



農鳥(のうとり)。富士山7~8合目付近(標高2900メートルから3000メートル)の北西斜面にあらわれるなごり雪で、鳥の形をしているためにそう呼ばれています。



農鳥は、地形の影響で基本的には形はかわりませんが、雪の解け具合によって毎年少しづつ変化します。ある年は尾が長く翼を広げた「鳳凰」のように見えたり、ある年は丸みおびた「ひよこ」のようにも見えたり・・・そんな農鳥は、春の訪れを告げる風物詩として、地元では古くから、農家が田植えなどの農作業を始める時期の目安とされ、その年の天候や吉凶も占ったといわれています。



たとえば、冬場の強風で周囲の雪が吹き飛ばされることで1月や2月に現れたりすることもあります。この農鳥はかつて、「寒中の農鳥は人を食う」として凶兆ともいわれていたそうです。



ちなみに、富士山に縁の深い「かぐや姫」も見ることができます。宝永山の西側斜面に、雪が降り積もると、ちょうど髪の長い女性が佇んでいるようなシルエットになることから、地元の人々からは、「雪姫」と呼ばれて親しまれています。



ちなみに、富士山には安産の女神が宿っていると言い伝えられていますが、それは富士山信仰に関する伝記をまとめた「富士山縁起(ふじさんえんぎ)」によると、「かぐや姫」が富士山から授かった子であるとされているそうです。



もし雪が降った日に富士山を見ることがあれば、富士山が生み出したこの不思議な光景に遭遇するかもしれません。


もう読みましたか?富士山20の豆知識前半をチェック!

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