富士山頂を目指す4つの登山ルート
富士山頂を目指す登山道には、主に4つのルートがあります。
一番北側が「吉田ルート」、そこから時計回りに「須走ルート」「御殿場ルート」、一番南が「富士宮ルート」になっています。
この4つのルートは全て富士山の東側に集中していますが、登山口までの交通・アクセスはそれぞれ異なります。
開山日も山梨県側と静岡県側で違うことがあり、事前の確認が必要です。(各県のホームページに記載されています)
また、登山口から山頂までの距離や標高差、山小屋の数などにも違いがあり、コースによっては経験者向き、初心者向きと区別されています。
まずは、それぞれのコースの特長をつかみ、自分と仲間の体力や経験に応じてどのルートを登るのがいいのかを検討してみましょう。
4つのルートはそれぞれ道標の色が分けられています。ルート図もおおむねコースごとに色が決まっています。
吉田ルートが黄色、須走ルートが赤色、御殿場ルートが緑色、富士宮ルートが青色です。
予定していたルートと間違って下山してしまわないように、下山時に必ず確認しましょう。
1. 吉田ルート
4つのルートの中でもっとも人気がある「吉田ルート」(道標の色は黄色)。毎年多くの観光客と登山者が訪れます。富士スバルライン五合目を拠点にしており、山小屋の数がもっとも多いことでも知られています。
さらに登山道の途中2ヶ所には救護所もあり、登山初心者、未経験の方におすすめです。
もっとも登山客が多い道の為、多少混雑しますが、登山者が多いので道迷いの心配は少ないです。
山頂でご来光を見るための登山者が列をなし、夜明け前の時間帯に渋滞が始まります。登りと下りでそれぞれ別の専用道を利用します。
2. 須走ルート
「須走ルート」(道標の色は赤)は、富士山の真東にあります。吉田ルートより低い標高からのスタートになります。
須走ルートは標高2700m付近までの豊かな自然と下山道の砂走りが特徴です。
山小屋は少なめのため、登山経験者に合っている道と言えます。本八合目で吉田ルートと合流し、ここから他の登山者と一緒に登山する事になります。渋滞は覚悟しておきましょう。
下りは七合目から砂の斜面を豪快に一直線に下る「砂走り」を存分に楽しめます。
3. 御殿場ルート
「御殿場ルート」(道標の色は緑)は、標高差・距離ともに経験者向きで、静かな富士登山が味わえます。
標高1440mからスタートしますので、ほかのルートと比べると距離も標高差も群を抜く難関コースです。こちらから向かう場合は、登山経験者や富士登山リピーターの方々に向いています。ロングコースなので、山小屋に宿泊する1泊2日のプランを立てて登山すると良いです。ただし山小屋は七合目より上にしかありません。水や食糧を予め準備して早めに登山口を出発するという、一般的な登山スタイルが望ましいです。
4. 富士宮ルート
山頂までの距離が最も短い「富士宮ルート」(道標の色は緑)。登り・下りが同じ登山道です。
4つのルートのなかで一番距離が短く、標高差の少ない最短ルートで、吉田ルートの次に人気があるコースです。しかも登りと下りが同じ登山道を歩くため、ピーク時には大変混雑します。
山小屋が充実しているので初心者にも安心ですが、全般的に傾斜がきつく高山病に注意が必要です。
富士山の南側に位置するルートなので、眼下には駿河湾の景色が広がり、素晴らしい景色を眺めることができます。
また、宝永山をめぐる、プリンスルート(※皇太子徳仁親王殿下が平成20年に歩かれたルート)という人気のコースもあります。
山頂の噴火口を一周する「お鉢めぐり」
山頂に着くまでだけではなく、山頂から噴火口をぐるりと一周するコースもあります。信仰遺跡群をめぐる「お鉢めぐり」です。
MAPやコースのポイント・歩き方の詳細は「お鉢めぐり」のページへ。
御殿場下山口付近から見た火口(お釜)