忍野八海 | 神の泉といわれる神秘的な魅力をご紹介！

二番霊場のお釜池は、忍野八海の中で一番小さい涌泉でありながら、なんと4mという深さがあることでも知られています。
キンポウゲ科の多年草であるバイガモが清らかな風に揺れ動く中見るお釜池は、より一層青く美しく見えることでしょう。
お釜池は大蟇(おおがま)池とも呼ばれます。なぜ大蟇(おおがま)池と呼ばれているかというと、下記の悲しい伝説が由来となっているからです。
遠い昔、美しい姉妹2人・高齢の父がお釜池のそばに住んでいました。妹が洗濯をしていると巨大なカエルが妹を池の中に連れていってしまいました。
慌てて、父・姉・近所の人々は妹を探したのですが、妹はそれ以来姿を見せることはありませんでした。遺体すら目にすることができなかった姉と父は、時が経ってもお釜池で妹の冥福を祈っているのでした。

三番霊場の底抜池は、はんの木林資料館という施設の奥にあります。この池あたりは木が生い茂り、緑豊かです。
底抜池で野菜など洗おうとした際、手からそれらを池に落としてしまうと、水に流されて消えてしまうと言い伝えもあります。また、底抜池と２番霊場のお釜池は、水中で繋がっているのではないか、ともいわれています。

四番霊場の銚子池は、底の砂がある場所から水が湧いてきているのを肉眼でしっかりと見ることができる涌泉です。
お酒を入れ、盃に注ぐときに使う銚子に形が似ていることから、銚子池という名前が付けられました。縁結びに効果があるとも言われているありがたい池です。

忍野八海でも人気の高い「五番霊場 湧池」です。向かいには水車小屋、まわりにはお土産屋さんがあり、観光客の数も多いのが特徴。
湧水の量も多く、水面・水中・水上の景観が綺麗です。水中で揺れるセキショウモが美しく、見入ってしまうこと間違いありません。
湧池には、昔富士山が噴火した時に、喉の渇きなどに苦しんだ人々が、水を求めるように叫んだところ、どこからともなく「私を信じて敬うのであれば、水を与えよう」という声が響き、人々は水にありつけたという事です。
この声を発したのは、日本神話に登場する女神である木花開耶姫命の声と言われています。

六番霊場の濁池は、湧池と隣接している水深50cmほどの小さな涌泉です。名前は濁池ですが、水車から井戸水を流していますので水は透き通っています。
濁池には、下記のような言い伝えが残っています。
濁池は、元来透き通った美しい池でしたが、ある日、貧相で乞食のような行者が立ち寄り、池の地主に「水をくれ」とお願いをしたのです。
ところが、地主の家に住むおばあさんが行者に水を与えるのを断りました。すると今まで澄んでいたはずの池が濁りだしました。そして試しに濁った水を容器に入れると濁りは消えて、元の澄んだ水に変わったのです。

七番霊場の鏡池は、水深僅か0.3ｍで湧水が少ないのが特徴の涌泉です。長方形をした鏡池は逆さ富士が見られることでも有名なので、写真スポットとしてもオススメ。
また、鏡池には、人々の行いの善悪を見分ける事ができるという言い伝えが残っています。昔、町でトラブルが起こると、争っている当事者の双方が鏡池の水を浴びて身を清め、全てが丸く収まるようにと祈りをささげたと言われています。

鏡池のそばにある八番霊場の菖蒲池のまわりには、サトイモ科のショウブや、アヤメ科のキショウブなどが生い茂っています。
菖蒲池のまわりに生えているショウブは、病気にかかっている人が体に巻く事で病気がたちまち治るという言い伝えが残っています。
菖蒲池の近くに住んでいた若い夫婦の夫が、肺病を患ってしまいました。そんな夫を妻は、一生懸命看病したのですが、夫の肺病は治るどころか悪化する一方。
夫の病気を治したい妻は、菖蒲池の水を浴びて身を清め、夫の病が治るよう祈りました。37日目に「池の菖蒲を夫の体に巻く事で、患っている肺病は治癒する」というお告げがあり、妻はお告げの通り、池の菖蒲を夫に巻き付けました。
すると、夫の病はすぐ快方に向かったのだそうです。